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建築工事、職人に向けた職能教育

建設現場事故と私の経験

先日(23年9月19日)東京のビル建設現場で大きな事故がありました。新聞やテレビ、インターネットなどのメディアに取り上げられており、多くの人々の関心を集めています。亡くなられた方、そのご家族、関係者の方には心よりお悔やみ申し上げます。

私自身、建設業界での経験が30年に及び、その間、無事故・無災害で仕事をしてきました。しかし、私の周りにも、事故で亡くなった知人や友人が3人います。彼らの事故の原因は、墜落でした。現在墜落、転落事故は、もっとも多い事故です。私は経験を通して、安全教育の重要性を強く感じています。
※事故別の労働災害発生状況で、死亡事故は1位墜落・転倒、2位交通事故、3位はさまれ・巻き込まれ。
休業4日以上の死傷者数では、1位転倒、2位動作の反動・無理な動作(いわゆる横着な考動)3位墜落・転落。
※業種別の死亡災害発生状況 1位建設業、2位製造業、3位運送業(第3次産業を除く)
以上厚生労働省令和4年 労働災害発生状況より
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001100029.pdf

インストラクターとしての役割

私は30年この業界にいますが、幸いなことに今まで一度も災害にあったことがありません。この経験を活かし、他の人たち、新しく参入する人たちも無事故・無災害で長く仕事を続けられるようにサポートするため、東海安全教習センターでインストラクターとして活動しています。私の目的は働く人の安全意識を高め、正しい知識と技術を伝えることです。

講習の課題と未来像

しかし、短期間の学科・実技講習だけでは、十分な理解を得るのは難しいと感じています。特に、現場の実際の状況や建築機械の操作方法など、具体的な内容を伝えることが求められます。

私が目指しているのは、まず講習の質を均一化、誰が教えても受講者の皆様がしっかりと理解できるような講習システムの構築です。現場の経験は非常に重要ですが、現場の安全に繋がる機械の操作や点検の方法など、基本的な知識や技能をしっかりと身につけることは可能だと思っています。そのため、講習の内容や方法を見直し、より効果的なものにすること、受講者の皆様に気づきのある授業を目指しています。

安全意識の重要性

現代の建設機械は操作性・安全性が高性能です。ただし建設機械に過度に頼ることは危険です。私は受講者の皆様に建設機械を過信せず、常に安全を最優先に考える意識を持つことの重要性を伝えています。

労働災害が起きた場合、その影響は本人やその会社、現場だけでなく、そのご家族や時として社会にも大きな影響を与えます。私たちの役割は、受講者の皆様が安全に長く働けるようサポートすることです。労働災害のない職場は、私たちの生活を豊かにするための基盤となり、安心をあたえるのです。

SDGsとの関連性

無事故・無災害の仕事は、当たり前のことであり、それが難しいです。そして持続可能な社会を築くためのSDGsとも繋がっています。建設機械従事者一人一人が、安全意識を持ち、その意識を仕事の中で実践することで、より良い社会を築くことができると信じています。

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