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【第5回】「社長だけが知っている」から脱却する。今、社内共有が必要な理由

なぜこの厳しい書類を作るのか? 全社で同じ視座に立つために

公共工事の世界に足を踏み入れた当初、多くの経営者が直面する課題があります。

それは、「社長だけが理解している状態」です。

入札制度、施工計画書、工程管理、安全管理、品質管理、完成書類など、公共工事には数多くのルールや書類が存在します。しかし現場からすると、

「なんでこんな書類を作るの?」 「また提出資料が増えた」 「手間ばかり増える」と感じることも少なくありません。

実際、私自身も最初はそうでした。

しかし、公共工事を継続的に受注し、元請として1億円規模の工事を完成させた今だからこそ断言できます。

会社が成長するためには、社長だけが知っている状態から脱却しなければならない。

今回は、その理由についてお話しします。

「社長だけ頑張る会社」は長続きしない

公共工事への挑戦を始めると、最初に情報を集め、制度を学び、書類作成を覚えるのは経営者です。

その結果、

  • 営業は社長
  • 入札も社長
  • 書類も社長
  • 現場指示も社長
  • 発注者対応も社長

という状況になりがちです。

最初のうちはそれでも回ります。

しかし受注が増え、案件規模が大きくなると限界が訪きます。

社長が全てを抱え込めば抱え込むほど、現場との温度差が生まれてしまいます。

現場は「なぜやるのか」が分からないため、指示をこなすだけになる。

すると会社全体が受け身になり、成長のスピードは大きく鈍ってしまいます。

「言われた通りやる」から「自ら考える」へ

下請工事が中心の会社では、どうしても「指示されたことを正確に施工する」という考え方が根付きます。

もちろんそれは素晴らしい技術であり、大切な能力です。

しかし元請会社になると求められる役割は変わります。

元請は単に施工するだけではありません。

  • 工程を組む
  • 協力会社を調整する
  • 安全を管理する
  • 品質を確保する
  • 発注者と協議する
  • 周辺住民へ配慮する

といった現場全体のマネジメントを行います。

つまり、「作業を行う立場」から 「現場を動かす立場」へ 意識を変える必要があるのです。

そのためには社員一人ひとりが、会社の方針や目的を理解しなければなりません。

厳しい書類には必ず意味がある

公共工事には数えきれないほどの書類があります。

施工計画書、安全書類、品質管理資料、写真管理、出来形管理、完成図書。

慣れないうちは「面倒なだけ」に見えるかもしれません。

しかし、それらはすべて

  • 安全を守るため
  • 品質を保証するため
  • 工程を管理するため
  • 税金を適正に使うため

に存在しています。

大切なのは、「作れと言われたから作る」のではなく 「なぜ必要なのかを理解して作る」こと。

理由を理解した瞬間、書類は単なる作業ではなく、会社の信頼を築くための武器へと変わります。

技術だけではなく「仕組み」が会社を強くする

優秀な職人がいる。

高い技術力がある。

それだけでも会社は評価されます。

しかし継続的に成長する会社には、必ず共通点があります。

それは、技術と同じくらい仕組みづくりを大切にしていること。

個人の経験や勘だけに頼るのではなく、

  • ノウハウを共有する
  • 手順を標準化する
  • 成功事例を蓄積する
  • 若手へ伝承する

という文化があります。

社長だけが知っている会社ではなく、全員が理解している会社。

その差は年を追うごとに大きく広がっていきます。

1億円案件を誇れる組織へ

億円規模の工事が完成したとき、評価されるのは社長だけではありません。

現場監督も。職人も。事務スタッフも。協力会社も。

全員の力があって初めて完成します。

だからこそ私は社員に伝えています。

「自分たちは単なる作業員ではない」

「地域のインフラを支える技術者である」

ということを。

道路や公園、河川や公共施設は、何十年にもわたって地域の人々に利用されます。

その仕事に携わる誇りを持ってほしい。

そして、自社が元請として受注し、完成させた1億円案件を胸を張って語れる組織になってほしい。

そう考えています。

まとめ

公共工事への挑戦は、単に売上を伸ばすためだけではありません。

会社そのものを成長させる挑戦でもあります。

社長だけが制度を理解し、社長だけが未来を見ている状態では、大きな成長は生まれません。

なぜ公共工事を行うのか。

なぜ厳しい書類を作るのか。

なぜ元請に挑戦するのか。

その答えを全社員が共有したとき、会社は単なる施工会社から、地域に必要とされる企業へと進化していきます。

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