屋外配線の劣化とPoE・電源容量不足に注意!
防犯カメラは設置して終わりではありません。長期間安定して運用するためには、電源や配線の状態を定期的に確認することが重要です。特に屋外に設置された防犯カメラでは、配線の劣化や電源トラブルが原因で映像が途切れたり、録画が停止したりするケースが少なくありません。
今回は、防犯カメラでよく発生する「屋外配線の劣化」「PoEの基礎知識」「電源容量不足」について解説します。

屋外配線の劣化によるトラブル事例
防犯カメラのケーブルは、雨風や紫外線に常にさらされています。そのため、年月が経過するとケーブルの被覆が劣化し、様々な不具合が発生します。
よくある症状
- 映像にノイズが入る
- 映像が途切れる
- 夜間だけ映像が映らない
- カメラが頻繁に再起動する
- 録画機でカメラが認識されない
劣化の原因
紫外線による被覆のひび割れ
直射日光が当たる場所では、ケーブル外皮が劣化しやすくなります。ひび割れから雨水が侵入し、通信不良やショートにつながることがあります。
雨水の侵入
接続部の防水処理が不十分な場合、コネクタ内部が腐食し通信障害を起こします。
動物による被害
鳥やネズミによるケーブルのかじり被害も意外と多く発生しています。
対策
- 屋外対応ケーブルを使用する
- 配管(PF管・CD管)で保護する
- 接続部分は防水ボックスに収納する
- 定期的に配線状況を点検する
PoEの基礎知識
近年のネットワークカメラでは「PoE(Power over Ethernet)」が主流となっています。
PoEとは?
PoEとは、LANケーブル1本で
- データ通信
- 電力供給
を同時に行える技術です。
従来は、
- LANケーブル
- 電源ケーブル
の2本が必要でしたが、PoEなら1本で済むため施工費を抑えられます。
PoEのメリット
配線工事が簡単
コンセントの増設工事が不要になるケースがあります。
設置場所の自由度が高い
天井や駐車場など、電源が取りにくい場所でも導入しやすくなります。
メンテナンス性向上
配線がシンプルになるため、故障箇所の特定もしやすくなります。
PoEで注意するポイント
LANケーブルには距離制限があります。
一般的には
最大100m程度
が推奨されています。
100mを超えると、
- 通信速度低下
- 電圧低下
- カメラの不安定動作
が発生する可能性があります。
電源容量不足によるトラブル
複数台のカメラを設置する際によく発生するのが「電源容量不足」です。
事例
例えば、
- カメラ4台設置時は正常
- カメラ6台に増設後から不安定
というケースがあります。
これはスイッチングハブや電源装置の供給能力を超えている場合に発生します。
発生する症状
- 映像が停止する
- 特定のカメラだけ落ちる
- 夜間に不具合が増える
- カメラが再起動を繰り返す
特に夜間は赤外線LEDが作動するため、消費電力が増加します。
昼間は問題なくても、夜になると突然映像が消えることがあります。
PoE容量計算の例
カメラ1台
消費電力:12W
カメラ8台
12W × 8台=96W
PoEスイッチの供給能力が
- 60W → 不足
- 120W → 余裕あり
となります。
機器選定時は、
実際の消費電力の1.2~1.5倍程度の余裕を持たせることが重要です。
防犯カメラを安定運用するためのポイント
✅ 屋外ケーブルは耐候性の高いものを使用する
✅ 接続部は防水処理を徹底する
✅ PoE配線は100m以内を目安に設計する
✅ カメラ増設時はPoE容量を確認する
✅ 夜間の消費電力増加も考慮する
✅ 定期的な点検で劣化を早期発見する
まとめ
防犯カメラのトラブルは、カメラ本体の故障よりも「配線」や「電源」に原因があるケースが少なくありません。特に屋外配線の劣化、PoEの距離制限、電源容量不足は見落とされやすいポイントです。
防犯カメラは防犯対策だけでなく、資産管理やトラブル防止にも役立つ重要な設備です。長期間安定して運用するためにも、設置時は将来の増設やメンテナンスを見据えた配線・電源設計を行い、定期的な点検を実施しましょう。